成人の方に「予防接種をしましょう」と言うと、「えっ?おとなになっても予防接種するの?」と問い返されることがあります。
そもそも予防接種とは感染症が発症したり、重症化したりするのを防ぐため、あらかじめ体内に不活化や弱毒化した病原体の一部を入れて、免疫を作ることを目的としています。
そのため抵抗力の低い乳幼児はもちろん、おとなも糖尿病、免疫不全症、がん疾患など免疫が低下する疾患にかかっている方、心不全、気管支喘息やCOPDの様に感染症を併発すると重篤になる疾患にかかっている方、抗がん剤、抗リウマチ薬やステロイド剤など免疫力を低下させるお薬を服用している方、そして65歳以上の高齢者も徐々に免疫力が低下するので、インフルエンザや肺炎球菌に対して予防接種が必要になります。
よって国や地方自治体では、高齢者の健康に影響を及ぼす感染症の予防接種を勧奨し、接種費用の助成を行っています。
それでは、おとなにも行われている予防接種について説明されているサイトをご案内します。
1. インフルエンザとインフルエンザワクチンについて知りたい方
最近は抗インフルエンザ薬の登場により、インフルエンザを普通の風邪と同じように考えている方もおりますが、高齢者では肺炎を併発し、心臓や呼吸器の持病を悪化させ、その後の健康寿命に大きな影響を及ぼします。その為普段は元気な高齢者も予防接種を受けることを勧めます。
※静岡県における高齢者インフルエンザワクチン助成事業については、お住まいの市町へお問い合わせください。
2. 肺炎球菌による感染症や肺炎球菌ワクチン(高齢者)について知りたい方
高齢者では免疫力が低下して、風邪をひいた後に引き続き肺炎球菌による感染症である肺炎、髄膜炎、敗血症、中耳炎などを併発することがあります。
2017年度の死因別統計では、1位「悪性新生物」、2位「心疾患」、3位「脳血管疾患」、4位「老衰」、5位「肺炎」で、死因として高い順位にあります。また肺炎にかかることにより運動機能低下が起こり、それ以後日常生活に支障も出てきます。
このサイトは、MSDと言う製薬会社のサイトですが、末尾に各地方自治体のワクチン公費助成制度へのリンクページがあります。
3. 風しんワクチン(成人)
風しんは、幼児や学童がかかりやすい感染症ですが、妊娠初期の女性が感染すると時として「先天性風疹症候群」が胎児に起こることがあります。(「先天性風疹症候群」について知りたい方は下記のウェブサイトをご覧ください。)
よって、妊娠・出産を希望される女性はもちろん、その配偶者や同居される成人の方全てが風しんウィルスに対して十分な免疫を持っていることが望ましいとされています。
風しんウィルスに対する免疫は、血液中の抗体価を測定することで判定できます。そして風しんウィルスの発症を防ぐために不十分な抗体価であった方には風しんワクチン接種を勧めます。ただし妊娠・出産を希望される女性の予防接種時期には注意が必要なので、詳しくは先のサイトに加えて、下記のサイトもご覧ください。
また妊娠を希望される女性やその配偶者と家族が感染予防に充分な抗体を持っているかどうか無料で検査が出来ます。詳しくは下記のサイトをご覧ください。
【昭和37年度~昭和53年度生まれの男性の皆さまへ】あなたと、これから生まれてくる世代の子どもを守るために、風しんの抗体検査と予防接種を受けましょう!
4. 海外渡航時に必要なワクチン
海外では、日本では見られない危険な感染症があります。よって予防接種で感染症を防ぐため、渡航先に合わせて必要なワクチンを接種してください。